「パワフルに、より身近に – PC-9801F」PC-9801F1/F2

PC-9801F3カタログより
「高度なアプリケーションをつつみ込んで、さらに可能性はひろがる。」PC-9801F3
PC-9801が登場して1年後の1983年11月にはモデルチェンジが行われ、EモデルとFモデルが登場した。F型番機は2DDのFDDを搭載したもので、F1/F2/F3がラインされた。
ビデオRAM(VRAM)が2倍に増えて192KBに増設された。これにより、グラフィックスの画面数が倍に増えたが、以降対応ソフトウェアは初代機非対応のものが多くなった。PC-9801用ソフトがよく無印/U2を除くと書かれているのはこのためだ。
PC-9801Fのスペック
- CPU
8086-2を5MHz/8MHz切り換えて稼働。
※コプロセッサPC-9801-62(8087)使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
128KB。最大640KBまで拡張可。 - ビデオRAM
192KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行、40文字×25行、40文字×20行
※いずれかを選択可。
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット2画面8色表示
640×200ドット4画面8色表示
※いずれか選択。専用高解像度RGBディスプレイ接続時 - モノクログラフィックス表示
640×400ドット16画面
640×200ドット8画面
※いずれか選択 - 画面合成
可(グラフィック、テキスト優先順位設定可) - バックグラウンドカラー
8色指定可 - 漢字表示
文字構成:16×16ドット。
JIS第一水準漢字2965種、非漢字885種(標準装備)
ユーザー定義文字188種
JIS第二水準漢字3384種※オプション(PC-9801-12)
拡張漢字388字※オプションPC-9801-18)
画面構成40文字×20行グラフィックス/テキスト両方の画面に表示可 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C仕様準拠 - プリンタI/F
パラレルI/F。セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様。オプション(拡張スロット内に実装) - 内蔵FDD
2DD仕様を内蔵。
F1:1台内蔵。最大2台内蔵可
F2:2台内蔵
F3:1台内蔵。増設不可 - 外付けFDD外付け用I/F
2DD FD対応。 - 8インチFD I/F
オプション - HDD
オプション(外付け、I/Fボード別売)。
F3には10MB内蔵済み(SASI。外付け用増設コネクタ付き) - カセット(CMT)
拡張スロット内実装オプション(300ボー/1200ボー) - CRT接続
デジタルCRT/モノクロディスプレイ - ライトペン
PC-8045K相当品使用可。モノクロディスプレイ端子に接続 - サウンド
オプション - 拡張スロット
16ビットのCバス6個。 - カレンダ時計
月、日、時、分、秒。NiCd電池でバックアップ - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体:(W)420×(D)345×(H)150㎜
キーボード(W)470×(D)195×(H)38㎜ 1.6kg - 重量
PC-9801F1:9.4kg。
PC-9801F2:9.4kg。
PC-9801F3:10.9kg。
キーボード:1.6kg - 主な添付品
キーボード、モノクロCRTケーブル、電源ケーブル、ケーブルカバー、ユーザーズマニュアル、BASICリファレンスマニュアル、BASICプログラミング入門、BASICリファレンスブック、PC-98H39-4W(K)システムディスク、保証書、お客様登録カード他
※当時のNECでは、ハードディスク(HDD)を固定ディスク装置と呼んでいた。
F型番機は2DDのフロッピードライブを内蔵するモデルで、1台組み込みのF1、2台組み込みのF2 で、F1には追加できるように組み込み用ドライブが用意されている。また、Fは第一水準漢字ROM標準搭載となり、拡張スロットは4個搭載されている。F型番機にはハードディスク内蔵モデルのF3もあり、ハードディスク1台とFDD1台が搭載されている(FDDの本体内増設は不可)。
拡張スロットは、F1/F2モデルは4個、F3モデルは3個となっていた。
PC-9801Fラインナップ
- PC-9801F1
5.25インチFDD×1台内蔵、最大2台本体内増設可能。
1983/10発売。
価格328,000円。 - PC-9801F2
5.25インチFDD×2台内蔵。
1983/10発売。
価格398,000円。 - PC-9801F3
5.25インチFDD×FDD1台
10MBのHDD1台内蔵。
1984/10発売。
価格758,000円
F1/F2は1983年、F3は1984年に発売された。ビジネスからホビーまで使いたい人にお勧めといえる。当時としては珍しいFDD搭載モデルであり、価格も当時としては手軽だったこともあって、爆発的に売れ、買って損しないパソコン、とまで評価されたことがある。
寸評:平均点主義で成功。
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