中古機パソコンをねらえ~よいパソコン悪いパソコン87/88年度版

大庭俊介+PUG編著「中古機パソコンをねらえ:」

大庭俊介+PUG編著「中古機パソコンをねらえ:」

かつてJICC出版局(現在の宝島社)から出版されていた書籍に、「よいパソコン悪いパソコン」というのがあり、大庭俊介+PUGの編著、ということになっていて、1985年度から1年に1回出版されていた。

最初の頃はNECに対する反発とか富士通/日立に対する思い入れがかなり目立っていたが、後に富士通に対する反発が逆に目立つ本になっていった。1987年度からは前期後期に分け、年2回出版された。このうち、85/86年度と87/88年度をまとめて中古機編も出版されている。

収められている87年/88年度は、MSX規格のパソコンと8ビット機全体が終焉を迎えた年であるが、それと入れ替わる形で32ビット機とラップトップ機が新たなパソコン市場を開き、同時に16ビット機が成熟した年でもあった。

中古パソコンを買うのでなくても、懐メロならぬ懐パソに思い出を浸ることもできる本である。

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中古機パソコンをねらえ~大庭俊介+PUG

基本データ

  1. ISBN:4-88063-656-8 C2033
  2. 編著者:大庭俊介+PUG
  3. 出版:JICC出版社(現宝島社)
  4. 初版:1989/10/28

index

  1. 今中古機が新しい P11
  2. パワーアップ 8つのテクニック P35
  3. 87年当時のパソコンはこれだP55
  4. 88年当時のパソコンはこれだ P199
  5. カタログをスラスラ読むための用語辞典 P329

この本が出版された当時(1989/10/20)、すでに8ビット機はなくなっており、16ビット機から32ビット機へと移行しつつある時期だったが、32ビット機は高速な16ビット機としてMS-DOSで利用しているのに過ぎない状態だった。当時32ビット機用にはOS/2(現在のWindows系OSの元祖。内部バージョンはWindowsNTとなる)が開発中で、まだ使える段階になかった。本格的に32ビットOSが出てから32ビット機を購入しても決して遅くないと保証する。そういう時期だったのである。

当時はPC-9801が標準機だったので、パワーアップのテクニック(フロッピー、HDD、プリンタ等)もPC-9801とEPSON互換機を中心に紹介されている。

87年の批評で注意が必要なのは、すでに生産が終了し、在庫販売もなかった85年の8ビット機も含まれているということ。PC-6001/6601/8001の各シリーズやFM-NEW7等はすでになくなっていた。この辺に注意して読む必要がある。

MSX機

1987年でほとんどのメーカーは撤退し事実上なくなったのだが、中古機市場にはちらほら現れることがある。そのほとんどは数千円程度の捨て値になっているが、パソコンというだけでこれらのマシンに手を出してはいけない。基本的に中のボードを取り出して自作回路に繋げたりするマニア以外には用はないはずだ。マニアにとってはBASICや入出力I/Fが付いていて数千円というのはただみたいなものだ。

8ビット機

1987年:日立のMB/S1と富士通のFM77シリーズがお勧めで、どちらも8ビット機の限界を超える能力を持っているが、ソフトは自分で作らざるを得ないのを覚悟すること。それ以外の8ビット機はゲーム以上の役には立たないと思ってよい。

1988年:8ビット機全体が終焉を迎えた年だ。人気機種はシャープのX1ターボZシリーズとNECのPC-8800シリーズだが、どちらもゲームマシンであることには変わりない。もっとも、ビデオのスーパーインポーズ機能があるから、自作ビデオ制作には安価なタイトルマシンが構築できる。

16ビット機/32ビット機

1987年:お勧めはPC-9800シリーズだが、PC-98XLは素人向けのソフトがほとんどないので避けたい。PC-9801UVシリーズは拡張スロットが2個と少なくパワーアップしにくいPCなので中古価格は安くなっている。それでも1個のスロットにHDDI/Fを入れ、もう1個にはRAMボードを入れるという使い方でかなりのパワーを発揮できるから狙い目だ。

それ以外では富士通のFM16βとシャープのX68000が勧められる。FM16βはビジネス、X68000はゲームやグラフィックスで利用ということになる。どちらにするにしても、自分が使いたいソフトとセットで購入したい。

1988年:NECのPC-9800シリーズがお勧めだが、何が変わったのかと言われると実際にはごくごく小さなマイナーチェンジに終始したのが実情だ。その割には中古価格が高いので、PC-9800シリーズの最新モデルには価格的にあまり魅力がない。PC-9800シリーズのパソコンこそ、こそ、人が見向きもしないような古い掘り出し物を探してパワーアップしたい。

PC-9801に対してEPSON互換機PC-286が発売された年だが、結構品薄らしく中古価格は高い。その分手を掛けずに使用できるメリットはある。

富士通のFMRシリーズは中古価格がとても安くて魅力的だが、これを買うならソフトも込みでなければとんでもない苦労をするどころか、お金を捨てることにもなりかねないので要注意だ。

ラップトップ機

PC-98LTだけは避けたい。PC-9801との互換性がないので名前だけで吊られて買うと後でひどい目に遭う。互換性があるのはPC-9801LVとPC-286Lだ。しかしラップトップを中古機から選ぶとなると拡張性があまりないのでお勧めできないのが正直なところだ。小型軽量化はまだまだ進歩しているので、中古機を買うと確実に後悔しそうだ。

87年と88年のパソコンを見るとそれほど変わっていないのだな、ということが改めて実感できた。

パソコンマニアのための十戒

  1. 汝、目的を持たずに買うなかれ
  2. 汝、新製品に飛びつくなかれ
  3. 汝、互換性を無視するなかれ
  4. 汝、宣伝文にだまされるなかれ
  5. 汝、目を酷使することなかれ
  6. 汝、無能をパソコンのせいにするなかれ
  7. 汝、紙を無駄遣いするなかれ
  8. 汝、夜ふかしをするなかれ
  9. 汝、週末をひとりで過ごすなかれ
  10. 汝、暗くなるなかれ

案外心当たりがある人が多いのではないかという面白い十戒である。そして歴史は繰り返すのであった。

当時MSXパソコンはMSX2+規格のものが松下のみから販売されていた。また8ビット機はPC-8801のみが何とか発売されていたが、これも1989年11月に最終機種が発売され、その歴史にピリオドが打たれることとなった。

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